暮らそう

いよいよムカイダーの『暮らそう』の先行リリースとなりました。深夜からジャケット印刷を開始して、カットしたりしててとうとう朝方になってしまいました。たちまち30枚完成。とりあえず世に出せることになり一安心。

今回500円で出すことになりましたが、叩き売りではないかとの意見もあるかと思います。

AMOとしては、まず前回の楽団のアルバム1,500円を基準にして、収録時間、トラック数、レコーディングに要したコストを勘案して1,000円か500円に絞りました。(700円、800円というのは購入時の煩わしさからやめました。)その上で、弾き語りのスタジオライブ録音という形で、ジャケットも含めた完全なAMO家内制手工業による手作りであることで500円でもいいかなと考えました。敷居を低くして手軽に買ってもらいやすくしたいからです。もちろんジャイブ録音でマイクや機材も弾き語りにしては贅沢といえるくらいの環境であり、タイソンもバチ山のエンジニアも結構手間をかけて音を仕上げています。だから1,000円でも全然恥ずかしくないものだと思います。

ただ、お金の面でいえば、ある程度売れれば元が取れる目途が立ってることもあります。あと、タイソンも言ってましたが、あまり手間をかけたとかいう雰囲気を出さず、軽く買って聴いてもらって値段以上のクオリティを感じてもらいたいというのも狙いです。

まあ最初だしミニアルバムでもあり、とにかく買って聴いてみてというのが一番です。でも、決してお試し盤という思いではありません。何と言ってもムカイダー本人の唄が素晴らしいし、楽曲の完成度の弾き語りで十分伝わるものだと制作側も自負しています。

 前回の楽団のアルバムもそうですが、これまでもCDをリリースすることにAMOはたとえ下手な演奏でもきちんとした形で出すことにこだわってきました。安易に真っ白なCDRにマジックでタイトルだけ殴り書きして、500円でCD作りましたって売ってる多くのアマチュア音楽家に対して、AMOなりの提言したいという気持ちなんです。他の方のやり方を批判するつもりはありません。ただ、出すことは記録を残すということであり、それなら仮にあまり売れなくてもできる範囲で体裁は整えて、身の丈に合ったものを出すべきと思っています。だから、AMO設立時から3曲入りだろうがレコード番号を付与してますし、カタログ管理をしてきました。これはこのHPのディスコグラフィーを見ればわかると思います。まあ、自己満足みたいなものですが、素人でもこの程度ならできるというものを追いかけてきたんですよね。

今回のアルバムで名ばかりですがプロデュースさせてもらって、ムカイダーのポテンシャルをどこまで引き出してあげることができたのかはわかりません。AMOでなかったらもっと洒落たものができたかもしれません。ただ、今のAMOでできる精一杯のものは作れたのではないかと思います。何より、ムカイダー・メイという強烈な個性の歌手の音源が曲がりなりにも世に出せたことが一番の成果かなと。サトシのアルバムもそうでしたが、自分ではない別の人間の個性を形にして世に送り出すことができたことは、私が15年余りAMOをやってきた一つの意味なのではないかと思います。いろいろ日々大変だし、しんどいこともありましたが、この作品はムカイダー、タイソン、バチ山さらに今回協力していただいた多くの方々との偶然のような必然のような出会いによって作ることができた奇跡のようなものです。そしてこれは本当に幸せなことだと思ってます。

無名音楽事務所のささやかなプロジェクトですが、何とか形にすることができ、ムカイダー、制作スタッフ、協力者そして彼女を応援してくれる皆様に深く感謝いたします。