イズミさんと若大将

 「クソが出た出たクソが出た。便秘の末にクソが出た!」という、AMO音頭の幻の3番(シングル盤に収録)のとおり、お陰様で久々に出ました!これで風邪のひきかけがまた収まると思います。
 さて、今日はいつもお世話になってるヲルガン座のゴトウイズミさんが広島FMの番組に出演されて、突然秋本音楽事務所の名前を出していいただき動揺してしまいました。何かの間違いかと思いましたが、広島のお薦めアングラミュージックとして挙げて頂いたわけです。で、曲紹介と思いきや、かけたのはオカダノリコさんの曲!さすがイズミさん、わかってらっしゃる。このあたりがうちらしくて笑えたと同時に、広島の健全なリスナーも安心したことでしょうね。そこでイズミさんが言われたのはこの事務所は「営利を目的としていない」ことです。そして変なのからすごいのまでいろんなのがいるけど「泣かず飛ばず」だということです。まさに言い得て妙、極めてわかりやすく説明されてました。だからAMOのいう素人音楽って、上手い下手じゃなくて営利目的ではないことなんですよ。あと付け加えるなら、お客さん以前に自分らが面白いと思うことをやってるってことですね。まあ、秋本音楽事務所って言葉が流れたのは広島FM開局初のことでしょうね。2度とないかもしれませんが、有難いことです。
 イズミさん、そしてヲルガン座って箱に出会えたことは、やはりAMOにとって非常に重要なことで、そこから今にいたる訳です。何か縁があったんでしょうね。イズミさんの雑食的でかつ、ちゃんと本質を見抜いてる視点って凄いんですよ。会うまでは昭和懐古趣味の喫茶店のお姉さんかな、って思ってたんですが、あの方かなり奥まで見てます。だからこっちもぬるいものを見せれないなって、思うんですよね。多分私のそういう思いも見抜いてらっしゃいますよ。あの方は!
あの店は広島のアングラミュージックの巣窟みたいなとこで行ってみたいなーって、ちょうど2年前まで夢見てましたが、まさか自分がそこに居場所ができるなんて思ってもいませんでした。夢は見ないといけません。

 話は変わって、若大将といえば、上原謙の息子、湘南育ちの慶應ボーイ、東映若大将シリーズ、日本草創期のシンガーソングライター、幸せだなー、ギタリスト、ビートルズとすき焼き食った人、大物俳優、加山雄三ショー、知ってるつもり、サライの作曲者、幸進丸、海、散歩…。様々な顔を持ち、これほど長い間日本のエンターテイナーとして第一線で活躍してきた人はいないでしょう。とくにミュージシャンとしての彼の存在は、日本ポップス史に残るものです。

加山雄三ファイナルホールツアー、観てきました。いや、素晴らしかったー。感動しました。若大将は前に旧市民球場であったさだまさしのコンサートでゲスト出演したときに観て以来です。1部、休憩、2部と全3時間に及ぶステージは圧巻でした。77歳とはいっても歌手としてもギタリストとしても全く衰えてません。ただ客層は中高年ばかりで、かなりの衰え具合でしたが…。(会場ではミエリさんというバンドやってる音楽友達と出会いました。アルソックホールの広い会場で20代らしき人は彼女くらいでしたね。)
しかし、初めてまともに彼のCDを聴いたのは大学入学前後くらいでした。はじめはダサいなー、と小馬鹿にしてたのですが、そのメロディーの素晴らしさにだんだん本当の良さがわかってきました。荒木一郎と並び、日本初のシンガーソングライターと言ってもいいかもしれません。
彼が出たきたのは60年代頭、つまりロカビリーからカバーポップス、カレッジフォークにかかる頃。エレキインストからグループサウンズの流行る前の時期です。だから、エルビスにもベンチャーズにもビートルズにも大きな影響うけており、さらに凄いのはエルビスにもベンチャーズにもビートルズにも会ってるのです!これできた人って他には湯川れい子ぐらいじゃないですか?
今回40曲以上歌ったなかで、音楽性の幅広さも改めて感じました。ロックンロール、カントリー、ハワイアン、サーフィン・ホットロッド、スタンダード、フォークなどなど。天然キャラであまり努力してる姿みせませんが、相当音楽を聴いてる方なんですよね。しかも、相当凄いキャリアなのに偉そうな雰囲気が全くなく自然体なとこも魅力です。
しかし本当にこれがファイナルツアーなのか、と思うと切ないですね。こうして時代が流れていくのかと思うと、何度も涙が出てきました。でもこの偉大な人物をちゃんと生でみることができ、私こそ幸せだなーと。
あとビートルズ、ノーキーエドワーズ、ペリーコモなどとの交流についてもいろいろ語ってくれて、桑田佳祐については例の叙勲の件について「余計なことをした」と釘を刺してましたが、「世界にも誇れる素晴らしい音楽家」だと、後輩を持ち上げていました。
最後に本編ラストに「マイウェイ」を歌ってくれましたが、日本でこの曲を歌って一番似合うのは加山さんだと思います。エンターテイナーとしてのキャリア、貫禄、歌声、人間性全て兼ね備えた人ですね(同じ天然キャラの大スター、アキラとは位置が全く違います)。それにデビュー当時より歌は絶対上手くなってます。
あの歳で全県周り、80歳から船で世界一周航海するって、ある意味ミュージシャンとしての理想型でしょうね。
最後に言われました。「夢は叶うものです。夢を見続けでください!」
若大将、いつまでもお元気で。